一葉落ちて天下の秋を知る(いちようおちててんかのあきをしる)

故事成語

(いち)(よう)落ちて天下の秋を知る
意味:小さなことから全体を推測する

 走るのに手は使わないが、手を縛れば速く走れない。飛ぶのに尾は使わないが、尾を折り曲げれば遠くまで飛べない。物事は直接使われない部分があってこそ、全体の働きが成り立つ。
 目に見えるものを見せるには、見えないものの助けが必要であり、太鼓を鳴らすには、鳴っていない部分が必要である。一切れの肉を味わえば鍋全体の味がわかり。羽毛と炭を吊るしておけば空気の乾湿がわかる。小さなことから大きなことを理解するのである。一枚の葉が落ちるのを見て年の暮れが近いことを知り、瓶の中の氷を見て天下の寒さを知る。近くのことから遠くのことを推し量るのである。
 三人が肩を並べて立てば、戸口から外へ出られないが、一人が後ろからついてくるだけなら、天下を通り抜けることもできる。足が地面を踏めば跡が残り、日差しの中を歩けば影ができる。これは簡単なようでいて、実は難しい。
 ()(そう)(おう)が里の役人を処罰したこと(政治の変化の兆し)、(そん)(しゅく)(ごう)(かんむり)を洗い(ころも)(すす)いだこと(呼び出されることを察した)、(しん)の文公が粗末な座具を捨てたこと(政治の改革の兆し)、後にカビが生えて黒ずんだこと(改革が停滞した象徴)、罪を犯した者が言い訳して帰国したこと(処罰されるのを察した)。これらはすべて、(くわ)の葉が落ちるのを見て長年の悲しみを思うようなものだ。
 
()(なん)() 説山訓』

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