石に漱ぎ流れに枕す(いしにくちすすぎながれにまくらす)

晋書

石(いし)に漱(くちすす)ぎ流(なが)れに枕(まくら)す
意味:負け惜しみが強く自分の誤りを認めない

 はじめ、孫(そん)楚(そ)は同郡の王(おう)濟(さい)と親しくしていた。王(おう)濟(さい)はその州の人物評価を担当する官で、郡内の人々の人物評を調べていた。孫(そん)楚(そ)の番になると、王(おう)濟(さい)は部下に言った。「この人物は、お前たちには評価できまい。私自ら調べよう」そして孫(そん)楚(そ)をこう評した。「天賦の才能は広く深く、聡明さは群を抜いている」
 孫(そん)楚(そ)が若いころ、隠(いん)遁(とん)して暮らしたいと思い、王(おう)濟(さい)に、「石を枕(まくら)にし、川の流れで口をすすいで暮らしたいのです」と言おうとした。ところが誤って、「石で口をすすぎ、川の流れを枕(まくら)にしたい」と言ってしまった。王(おう)濟(さい)が言った。「流れは枕(まくら)にできないし、石で口をすすぐこともできないよ」孫(そん)楚(そ)は言った。「だからこそ流れを枕にして耳を洗い、石で口をすすいで歯を鍛えようと思ったのです」

『晋書 孫(そん)楚(そ)伝』

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