雌雄を決する(しゆうをけっする)

故事成語

雌(し)雄(ゆう)を決(けっ)する
意味:優劣を決める

 項(こう)羽(う)の楚(そ)と、劉(りゅう)邦(ほう)の漢(かん)は長く対立し、決着がつかず、働き盛りの者は戦に苦しみ、老いた弱い者は兵糧の輸送に疲弊していた。項(こう)羽(う)は劉(りゅう)邦(ほう)に言った。「天下が何年も騒乱しているのは、結局、我々二人のせいだ。私とお前で一騎打ちをして雌(し)雄(ゆう)を決しようではないか。民の父子をこれ以上苦しめるのはやめよう。」劉(りゅう)邦(ほう)は笑って答えた。「私は智略で戦うのは得意だが、力で戦うのは苦手だ。」項(こう)羽(う)は怒り、楚(そ)の勇士に一騎打ちを命じた。漢(かん)には騎射の名手の楼(ろう)煩(はん)がいた。楚(そ)の勇士が三度挑んだが、楼(ろう)煩(はん)はそのたびに射殺した。項(こう)羽(う)は激怒し、自ら鎧を着て戟(げき)を持ち、挑戦に出た。楼(ろう)煩(はん)は項(こう)羽(う)を射ようとしたが、項(こう)羽(う)が目を怒らせて睨みつけ叱ると、楼(ろう)煩(はん)は目を合わせることもできず、手も震えて矢を放てず、壁の中へ逃げ込んで、二度と出てこなかった。劉(りゅう)邦(ほう)が密かに尋ねさせると、それが 項(こう)羽(う)だと知り、大いに驚いた。
 その後、項(こう)羽(う)と劉(りゅう)邦(ほう)は広(こう)武(ぶ)の地で対面して語り合った。劉(りゅう)邦(ほう)は項(こう)羽(う)の過去の行いを責めた。項(こう)羽(う)は怒り、一戦を挑もうとしたが、劉(りゅう)邦(ほう)は応じなかった。項(こう)羽(う)は伏兵に命じて弩(いしゆみ)で劉(りゅう)邦(ほう)を射させ、劉(りゅう)邦(ほう)は傷を負い、成(せい)皋(こう)へ逃げ込んだ。

『史記 項羽本紀』

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